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ベルリン出張 〜G20対話 2007年9月9日〜11日
桜井副大臣は9月9日〜9月11日までベルリンで開催された「気候変動、クリーン・エネルギー、 持続可能な開発に関する閣僚級対話(G20対話)」に日本代表として出席いたしました。
G20対話は来年開催される洞爺湖サミットへ向けて開催されているもので、 G8各国及び中国、インド、ブラジル、南アフリカ、メキシコ等主要20カ国 (及び欧州委員会)のエネルギー・環境担当大臣等が参加します。
日本は京都議定書の議長国として、また世界最高レベルの卓越した環境・ 省エネ技術を持つことから、環境政策のリーダーとして世界を牽引していく立場にあります。
環境問題は既に国内という範疇を大きく越えています。海も大気も循環し世界を巡る以上、 各国で起きる大気汚染や水質汚染も自国の環境問題として捉え、積極的に関わっていく必要があります
また、大きなテーマとなる地球温暖化は、国際社会が連携しあい、 助け合わなければ解消できない問題です。
日本に古くからある「もったいない」「自然への畏敬の念」「和」という精神文化ほど、 環境対策にマッチしたものはありません。個人から自治体、自治体から国、 国から世界と皆が力を合わせて環境問題に取り組む・・・。 京都議定書が各国に対して地球温暖化を直視させるきっかけとなったように、 来年開催される洞爺湖サミットが更に実りあるものになるよう、より一層、力を尽くしていきます。
※下記はG20対話において、桜井副大臣が行ったスピーチの原文です。 (スピーチを原稿にしたものではありません)

来年のG8サミットの議長国の代表として発言の機会を与えていただき感謝しております。 我が国の安倍総理は、ハイリゲンダム・サミットに先立って「美しい星50」を発表し、 メルケル首相とともにサミットでの議論をリードいたしました。また、中国、米国、インド、 インドネシアなどとの首脳会談において、気候変動問題を主要議題として取り上げ、 環境に関する共同文書等に署名するなど、気候変動問題に関するリーダーシップを発揮しております。
来年3月には、千葉の幕張においてグレンイーグルズ・プロセスを締めくくるG20会合を開催し、 北海道洞爺湖サミットにその成果をインプットすることになります。 今回の第3回G20対話では、議長国ドイツの多大の努力により、 大きな成果が得られたことをともに喜びたいと思います。

1.今後の国際交渉に向けて(The way forward)
気候変動問題については、我々、環境やエネルギーの政策決定者が共通のビジョンを抱くことが重要であります。そうした上で、国際的な枠組みは、国連の場で、全ての国により合意すべきであります。他方、交渉を促進する目的で、現在は様々な交渉プロセスが存在し、外の世界から見れば、非常に複雑なプロセスとなっております。しかし、ここで忘れてならないなのは、我々は、会議のために集まっているのではない、ということであります。
国連の下で、実効ある次期枠組みの構築を進めるため、
日本は、「美しい星50」にある3つの原則を作りました。
第1は、主要排出国が全て参加し、京都議定書を超え、世界全体での排出削減につながることであります。
第2は、各国の事情に配慮した柔軟かつ多様性のある枠組みとすることであります。
第3は、省エネなどの技術を活かし、環境保全と経済発展とを両立することであります。
これらを提示しました。
本年12月のCOP13バリ会合においては、枠組みの構築に向けて有意義な一歩を踏み出すことが重要でありますが、この2日間の議論に参加していて、私は、このG20対話における議論が、バリでの合意に関し適切な方向性を示しているのではないかと感じた次第であります。

2.G20対話の果たす役割
すなわち、このG20対話は、国連の下で行われている「交渉」と、G8、G8+5の各国首脳による政治的「議論」との架け橋であり、政治的なモメンタムを背景に、国際交渉上の難しい論点について共通の認識を醸成するとともに、実用的な対策を着実に進めていくためのプロセスであると考えております。本対話が理想的であると思う条件としては:

@ まず、参加国の範囲の幅であります。先進国に加え、能力のある主要な途上国も参加し、世界の排出量の8割近くをカバーしております。気候変動という共通の問題に取り組むに当たって、先進国だけが取り組み、途上国は排出量の増加を抑制しない、という構図は国際世論にも科学的知見にも合致していません。今後は、対策の担い手としては、先進国と主要途上国となることが必然と考えられ、その上で共通だが差異のある責任を始めとするこれまでの原則に基づき、京都議定書を超えていく必要があると考えております。

A 次の条件は、専門性であります。IEA〔国際エネルギー機関〕や世界銀行の参加を得て、我々の意思決定に際して専門的な助言が受けられることは大変心強いことであります。なぜならば、国際社会が歩むべき方向性が、客観的な情報に基づき示されることが期待できるからであります。

B 3つ目の条件は、政治的なモメンタムの存在であります。この対話プロセスの結果については、来年のG8北海道洞爺湖サミットで報告され、主要国のトップリーダー達により承認されます。
以上の条件が揃っている、G20対話が持つ意義は極めて大きいと私は考えております。
世界は今、急速に動いております。APEC〔アジア太平洋経済協力〕が気候変動を取り上げ、省エネや森林について数値目標に合意し、エネルギー効率向上等の重要性がハイライトされるとともに、他の環境問題と連携して取り組むコベネフィット・アプローチが明記されるなどの成果を見ました。今月はこの対話をはじめ、国連事務総長や、ブッシュ大統領のイニシアティブによる会合が予定されております。これらの取組により、今後は、一層多くのステークホルダーが気候変動問題に関心を持つようになるだろうと思います。このような時であるからこそ、この問題の中枢にいる我々環境、エネルギーや開発の政策担当者は交渉の加速化と、信頼醸成を進めなくてはなりません。ここベルリンからの発信は、こうした観点から、バリ会合に向けた重要なインプットになるものであると言えます。
バリにおいて、グレンイーグルスプロセスの成果をインプットするなど、グレンイーグルス対話とUNFCCC〔気候変動に関する国際連合枠組条約〕とをリンクさせる機会を設けることは有意義と考えております。

3.北海道洞爺湖サミットへの道(The way to Hokkaido (from Berlin and Bali))
ただし、バリは我々のゴールではありません。本対話においても、「バリに向けて」という言葉と同じ数だけ「バリ以降の」という言葉が聞かれました。本対話で得られた成果を十分に吟味して、次の機会、将来の気候政策の発展につなげていかなければなりません。
来年3月、我々は千葉幕張で再び集い、本対話プロセスが何をもたらしたのかについて評価することになります。その報告を北海道洞爺湖サミットへ届けることは、バリ以後の気候変動交渉にとって大変重要な布石となります。
我が国は、ハイリゲンダムに向かう時から、安倍総理提案の「美しい星50」を発表し、「世界全体の温室効果ガス排出量の半減を2050年までに実現する」という長期目標への賛同の呼びかけや、京都議定書を超え排出削減を実現することなどの次期枠組みが備えるべき諸原則を唱えてきました。これに加えて、我が国政府の専門家から、技術の改善や投資環境の整備といった、温暖化対策において欠かすことのできない方策についての考え方を紹介、提案させていただきました。
本国では、安倍総理がバリ会合直後の2008年という重要な年におけるG8議長国というユニークな立場を踏まえ、 ニューヨークで貴国らを含む世界の国々と対話することを心待ちにしています。その期待に応えることができる有意義な対話となったことの喜びを分かち合いたいと思います。
そして、来夏、G8北海道洞爺湖サミットにおいては、我々が今後の実効的な取組の具体的な方策やロードマップを示し、我々を次期枠組みに導くための合意形成をしたいと考えております。そのためにも皆さんからの多大な貢献をいただきたいと思います。
ありがとうございます。

※スピーチ時は安倍内閣での環境副大臣
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